第36章 サボテン
Jun side
“ZEROのディレクターの萩原さん”
何度か局で見かけた程度の人だけど
翔くんがお世話になっている人なら
これからちゃんと覚えておかなきゃ…
そう思っていた矢先
収録が終わって
次の撮影に向かうために廊下を歩いていると
向こうから萩原さんが歩いてくるのが見えた
なんだか妙に緊張して背筋がピッと伸びる
潤「おはようございます」
すれ違うときに立ち止まって頭を下げると
「松本くん…おはようございます」
萩原さんも立ち止まってくれて
名前を呼ばれたことにびっくりするけど
“嵐”が軌道に乗ってきている証な気がして
思わず頬が緩んだ
「収録終わったんですか?」
そのまま一礼して通り過ぎようとすると
背中に声をかけられて
そのまま少し世間話をした
第一印象は話しやすい人
でもなんで俺とこんなに話してくれるのかがちょっと不思議で…
潤「そうそう…あ,今日帰りに萩原さんに会ったよ」
その夜寝る前にベッドの中で翔くんと電話しながら
なんとなく萩原さんの話をした
翔『え?そうなんだ!萩原さんほんと優しい人なんだよ』
いつも助けてくれるんだ…と
嬉しそうに話すのを聞いて
また少し翔くんのことを知って
翔くんに近づけた気がして俺も嬉しかった