第33章 フクジュソウ
Sho side
2016年になって5時間…
年末の紅白から
カウントダウンコンサートを終えて
恒例の初詣に行ったのはついさっき
コンサート中はアドレナリンが出て
疲れは感じないけど
数時間たった今,潤を待つ車の中で
少しずつ疲れが躰を重くしていた
一緒にコンサートをやった先輩から後輩たちまで皆で…
今年の安全と健康の祈願
色々目標はあるけど
やっぱり身体が資本だから
毎年願うのは…
嵐の全員が怪我無く過ごせるように…ということ
それから…今年も潤と一緒に幸せな時間を過ごせますように…
祈願中…少し後ろにいた潤を想って
思わず緩んだ顔をマフラーで隠した
潤がくれたマフラーが
冷たい正月の尖った空気から守ってくれる
今,皆と離れて付け直した
胸に光るネックレスも
潤が傍に居てくれる証
今年も1年,潤と一緒に居られたら
それだけで満たされた一年になる
神様を信じてないとかじゃないけど
俺をホントに幸せにしてくれるのは潤だと思う
だから願うなら,潤に
今年もずっと傍に居て欲しい…と
それが1番の願い…
トントンと助手席の窓が叩かれて
傍に居て欲しいと願った愛しい顔が
そっと顔を見せた
潤「ごめん,おまたせ…」
人目を気にしながら車に乗ってきた冷たい躰を
ぐいっと引き寄せて温めるように抱きしめた
潤「翔くん?…ごめんね,おそくなっちゃって」
抱きしめ返してくれて
耳元で優しい声が響く
翔「お疲れ…今年も宜しくっ」
唇をそっと重ねて
視線を絡めて笑いあった
やっぱり,今年も良い一年になりそう…