第28章 レッドゼラニウム
Sho side
雅紀のおかげで
収録中の息苦しさから解放されて
二人で馬鹿笑いしながら酒を煽った
雅「なんかあるなら吐き出しちゃった方が楽だよ?なんでも聞くからね?」
と,終始心配されたけど
…まさか…潤の寝起きが悪くて…
なんて相談できるわけもなく
翔「サンキュ,何かあれば言うよ」
と言って雅紀と別れた
いつか…話せたらいいな…なんて思いながらタクシーを探していると携帯が振動した
『翔くん,今大丈夫~?助けてー!』
電話口から斗真の明るく無邪気な声が聞こえてくる
『2人で飲んでたんだけど潤が潰れちゃって~…今,俺んちなの…迎えに来れる??』
そー言われたら行くしかない…
飲んじゃったから車は無理だけど
そのままタクシーで向かった
『いらっしゃーい!ま,上がって?』
部屋に入ると,ソファで丸まって寝ている潤がいた
翔「悪かったな…」
「いーよ…もー慣れてるし,でも今日は荒れてるわ,惚気るわ…で,大変だったよー」
斗真は缶ビールを手渡してくれながら
くくくっと堪えきれない笑いを零した
翔「惚気…?」
荒れてるのはわかるけど
潤が惚気る理由は特に思いつかなかった
「だって,翔くんに優しく起こしてもらって?ちゅーとかされて目覚めたい…とか…」
潤がこんな乙女だとは知らなかったよ!と,言いながら斗真は躰を捩って笑っていた
…そんなこと斗真に言ってたのかよ…
なんだか恥ずかしくなって身の置き場に困る
翔「でも俺,ちゃんと起きれば,チューでもえっちでもしてやるよっ…って先に家を出ちゃったんだよね…」
呟くと,斗真は更に笑い転げた