第1章 ベコニア
Jun side
新しく買ったキャップ
店でヒトメボレして買ったキャップを
リーダーに見せてたら
翔「なになに?見せて?」
後ろから翔くんの声が聞こえて
また心臓がうるさくなってくる
振り向いた先翔くんはすぐ後ろにいて
話すその声が
直接耳に入り込んできて
ドクン,と躰が熱くなる
潤「え?…あ,うん,コレ…」
それを隠せば
どうしても硬い声しか出なくなって
翔「へー,カッコいいじゃん
よく似合ってるよ」
そんな言葉も嬉しすぎて
潤「…ありがと」
ぶっきらぼうに言葉を放って
潤「俺飲み物買ってくる」
赤くなった顔を誰にも見られないように
財布を掴んで急いで楽屋を出た
潤「……はぁーっ…」
自販機の影で座り込んで
躰の熱を逃がすように
大きなため息を吐いた
左手に持ったままだったキャップが
視界に入って
潤「…ふふっ…」
思わず顔が緩む
“カッコいいじゃん,似合ってるよ”
何度も頭の中でリピートしながら
キャップを胸に抱え込んだ