第16章 ニリンソウ
Jun side
潤「明日,斗真と呑んでくるね」
呑みに行く時は報告しましょう
なんて約束があるわけじゃないけど
誰かと出かける,とかは
毎回なんとなく伝えてる
夜会えない日,時間がとれればしてる
寝る前の電話の中でそれを伝えると
翔『楽しんでおいで』
いつもと変わらず
気持ちよく送り出してくれた
斗真とはもうずっと仲良くしてて
週に1回は時間を見つけて遊んでる
夜に呑みに行くことがほとんどだけど
たまにオフの日に一緒に買い物に行ったり
翔くん,メンバー,斗真
これは俺の中でなくてはならない存在
「「乾杯っ」」
行きつけの個室の居酒屋で
斗真とグラスを合わせる
仕事終わりの躰にビールが流れて心地いい
話題にあがるのは嵐のこととか,仕事のこと
斗真から聞く演技の話は
いい勉強にも刺激にもなるし
嵐の話も楽しそうにいつも聞いてくれる
あと,ここ何年かずっと
斗真に追求されてるのは
「片想いの彼とはどうなった?」
未だ秘密にし続けている翔くんとのこと
潤「なんもねーよ
片想いもしてないし」
何年か前翔くんに告白する前のあの日からずっと
肯定してないのに
斗真の中で俺は男に片想いしてることになってる
…まあ片想いしてたのは事実だし
今は両思いなんだけど
「誰なのかくらいいい加減教えろよなー」
アルコールが入って追求されると
心許してる相手だからこそ
潤「片想いなんてしてねーから」
いつかポロっと言ってしまうんじゃないかと最近思う