第14章 クリスマスローズ
Jun side
翔くんの背中を追って寝室を出た
何度も来てる翔くんの家
たった数歩なのに足が震える
リビングに入ると
大丈夫,というように
翔くんに肩をポンと叩かれて
そのまま翔くんは
キッチンに入っていった
潤「……お疲れ様です…」
ソファに腰掛ける長瀬くんは
翔くんの言ったとおり腕の固定が外れていて
でも固定してた間使ってなかったからか
少しだけ逞しかった腕が細くなった気がした
「お疲れ様…大丈夫か?」
優しい先輩の声に涙が溢れそうになる
でも泣いてる場合じゃないとそれを堪えて
潤「…すみませんでした…怪我もドラマも…」
深く頭を下げると
「怪我はもういいって言っただろ」
そう言って頭をあげさせられて
顔色悪いからとりあえず座れ,とソファまで腕を引かれた
「ドラマは…手をあげるのはよくなかったよな」
真剣な顔で視線を合わせられる
潤「…はい」
「でも非は周りに先にあった
よく耐えたと思うよ…頑張ったな」
そう言って頭を撫でられて
堪えてた涙が零れ落ちる
潤「…本当に,すみませんでした…」
「もういいって
ドラマの撮影,次俺も一緒に行くよ」
俺も迷惑かけたし…と言われて
潤「でもっ…その怪我は…」
長瀬くんがかけたと言う迷惑は
もともと俺が引き起こしたコトで…
「だから,一緒に謝ろう…な?」
言葉を遮られて
大丈夫だから,と頬を伝う涙を拭われて
余計に涙が止まらない
「もう泣くなって……ちょ,櫻井助けてー」
空気を変えるためか
明るい声を出した長瀬くんは
ふざけたように翔くんを呼んだ