第14章 クリスマスローズ
Jun side
潤「…んっ……」
周りを人が動く気配で
夢の中から引き戻された
瞼を持ち上げると
クローゼットから服を取り出してる翔くんが見えて
潤「…翔くん…?」
その背中に声をかけると
翔「あ,起きた?おはよう」
ベッドサイドまで来て
額に翔くんの手のひらが当てられる
翔「昨日よりは熱くないな」
そう言ってキスをされて
翔「俺もう少ししたら出るから…
夕方くらいには帰るから大人しく寝てろよ?」
まだ熱あるんだから…なんて言ってるけど
潤「俺…今日…」
俺だって本来なら撮影があるはずで
でもそういえばマネージャーから
連絡こなかったな…と思いながら
携帯を探そうとすると
翔「潤は今日はオフだよ
昨日お前寝てから連絡あったから」
そう言いながらその手を制された
潤「そっか…ありがと」
オフってことは
昨日どうなったのかはわからないけど
今日の分が延期になったのは確かで…
あのドラマに関わっている人全てに
迷惑をかけてることを突きつけられた
ベッドに沈んだ俺の髪を
柔らかく撫でてくれていた翔くんが
翔「とにかく今日は俺が帰るまで寝てること」
そう言って立ち上がって
いってきます,とキスを落として出ていった
潤「いってらっしゃい…」
その背中を見送って
どうなるかわからないから
台本も読まなきゃ…と思ったけど
この間翔くんに怒られたのを思い出して
帰宅を知らせる玄関が開く音がするまで
ベッドの中で過ごしていた