第12章 ケイトウ

Jun side

翔「潤…もう一つ…受け取ってくれる?」

白い袋を手に
ベッドサイドに戻ってきた翔くんが
躰を起こしてくれる

袋の中から出てきたのは
よくアクセサリーとかが入っているようなかんじの
大きさの違う箱が2つ

翔「コレは…俺のね…」

小さな方を手渡されて

翔くんが箱を開けるのを確認してから
俺も箱に手をかけた

潤「あ…」

中を見てそれしか言葉が出なかった

次の瞬間には
涙腺が決壊したのかってくらい
涙が溢れ出てくる

小さな箱を持つ手が震える

視界がぼやけてるから
一瞬しか確認出来なかったけど

箱の中には小さなリングが入っていて

見せてくれた翔くんの箱の中は
同じデザインの腕時計

潤「え…だって…」

さっき腕時計を貰ったのに

腕時計をまるで指輪の様に
左手に嵌めてくれて

それだけで充分嬉しかったのに

翔「受け取ってくれる?」

箱を渡される前の問いかけが繰り返されて

何度も首を縦に振って返す

翔「…よかった」

そう言いながら頬を流れる涙を拭ってくれて

翔「潤…愛してる
ずっと俺の隣にいて…」

抱き締めてくれた翔くんの声も
震えてる気がした

潤「翔くん…愛してる…ありがとう…」

もう何が出てきても驚かないって
言ったはずだったのに

こんなサプライズ残してるなんてずるいよ…

背中から翔くんの腕が離れて

翔「貸して?」

震える手の中の箱と
その手が翔くんの手の上に導かれた