第12章 ケイトウ
Jun side
翔くんの肩に顔を埋めて
堪えきれない涙を流した
翔「貸して?」
片手に持ったままだった箱が
翔くんの手に渡って
中の時計を取り出して
左手首にソレがはめられた
翔「潤,愛してる…ずっと一緒にいよう」
その言葉とともに優しいキスも貰って
まるで指環の様に扱われる腕時計と
未来の約束のようなキスに
溢れる涙が止まらない
返事の代わりに何度も頷く俺を
優しく抱き締めてくれた
ちゃぷんと揺れるお湯の中で
翔くんの胸に凭れながら
鮮やかに赤く咲くバラの花弁を手に取る
現実味のない出来事の連続に
潤「夢みたい…」
無意識に呟けば
翔「ほんと幸せすぎて怖い」
存在を確かめるように
ぎゅっと抱き締められる
潤「ずっと隣にいるよ…」
くるりと
腕の中で向きを変えて
翔くんの膝に跨るように向き合って
啄むようなキスを何度も落とした
翔「んっ…ふ……んっ」
甘い吐息を漏らし始めた翔くんに
後頭部を抑えられて
潤「んんっ…ん,ぁっ…ん…」
舌が口内に挿入ってくる
でもすぐに絡んだ舌が解けて
少し熱を持ち始めていた躰を
持て余す俺に
翔「今は何もしないよ?
その代わり夜は寝かさないから」
耳元で低く甘い声で囁いて
首筋に舌が這ってから顔が離れていった