第8章 マリーゴールド
Sho side
潤「…しょぉくん……すきだよ…」
弱々しく…でもしっかりと首に回された腕
小さく絞り出すように伝えてくれる言葉
グチャグチャに閉じ込めた感情が
一気に溢れ出して涙に変わった
翔「ごめん…ごめん…」
もう…愛してるとか
言う資格が無い気がして
涙と共に謝ることしかできなかった
そんな俺に潤は何度も首を振り
キスをしてくれた
上手く声が出てないことに気づいて
潤を布団にくるんだまま
抱えてリビングに移動した
冷蔵庫から水を出して潤に渡す
一度受け取ったそれを潤は差し出してくる
…飲ませて?というように…
口移しで飲ませると
潤は喉を鳴らして飲み込んで
嬉しそうに笑った
その笑顔が
この家に来た時の
無理した笑顔ではなかったことに
少しだけ救われた気分になった
翔「風呂…入っておいで…」
俺が離れようとすると
また首にしがみついてくる
潤「翔くんと…一緒なら行く…」
また涙がこぼれそうになるのを
必死にこらえて
そのまま,しがみつく潤を抱き上げて
浴室へ向かった
潤の躰を優しく洗い上げて
お湯の中に降ろす
潤「翔くんも…」
頷いてから
引っ張られた手を優しく外して
自分も簡単に汗を流し
潤の躰を後ろから抱きしめるように
お湯の中に入った