第1章 ベコニア
Jun side
「翔くん来てくれるって」
潤「ほんと?ありがとー」
翔くんに逢える
そのことが嬉しくて顔が綻ぶ
「お前昔から翔くん好きだよな」
苦笑いされながら斗真に言われて
潤「ん,好きだよ」
「面倒見良いしね,兄貴ってかんじだよね」
普通こんな時間に迎えに来ないよな
って2人が話しているけど
“兄貴”その言葉だけが頭に残る
他のコトは何も考えられないくらい
アルコールで思考がぐちゃぐちゃなのに
その言葉が突き刺さって抜けない
現実を突き付けられた気がする
「潤,翔くん来てくれたよ」
そんなコトを考えていたはずなのに
翔「潤,お前何やってんの,呑みすぎ」
翔くんの声が聞こえて腕を引かれて立たされて
翔くんにやっと逢えた
酔った脳では所詮いくつも感じたり出来なくて
それだけでさっきのショックなんて
どこかに飛んでいった
潤「しょおくん,ありがとー」
笑いかけると翔くんの顔が
赤く染まった気がした
翔「真っ直ぐ歩けてねーじゃん,ほら」
差し出された腕を素直に掴んで
誰が会計したのかも
よくわからないまま店を出た