第58章 ストック
Sho side
潤「なんで…っ…怖いょ……っ」
覚悟はしてたけど
潤の言葉は俺に突き刺さった
ふらつく足で立ち上がって
よろけながらも俺から離れようとする
俺は躰を支えてやることもできず
その場に立ち尽くした
潤「っ…ごめ…ね…ひとりに…して…っ」
潤は逃げるように
自分の部屋に入って扉を閉めた
はっきりとした拒絶…
出会ってから…
付き合う前から考えても
こんなことは初めてだった
俺はおもむろに携帯を手にして
電話を掛けた
和『翔くん…?』
翔「ごめん…明日…オフ…だよね…?」
和『…今から行きますね…』
ニノはすぐに車をとばしてきてくれた
和「何?その荷物…」
俺はスーツケースに必要なモノを詰め込んで準備していた
翔「少し…家あけるから…今晩だけでも…ここに居てくれないかな…明日マネージャーに連絡しとくから…」
和「…ちょっと…落ち着きなよ…」
出て行こうとする俺をニノが掴んで止めた
翔「俺が居ない方がいいんだよ…」
和「だから…落ち着けよっ…」
普段非力なはずのニノなのに
簡単にソファに連れ戻された
和「勝手に結果を出す前に…経緯を話して…一緒に考えさせてよ…一人で背負いすぎだよ…」
ニノに握られた手が温かくて
俺は初めて涙が零れた