第54章 ラケナリア
Jun side
朝翔くんに起こしてもらって
作った朝ごはんを一緒に食べて
潤「いってきます」
翔「ん,いってらっしゃい」
靴を履いてから玄関で翔くんに向き直ると
翔くんの手が頬を包んでくれて
潤「んっ…んん…っ」
唇が重なり合った
一緒に暮らし始めてからは毎日している
いってらっしゃいのキス…
玄関に小さく水音が響いて
もっと触れたくなりそうだったから
翔くんの首に絡めた腕を解いて唇を離した
潤「はぁ…あ,翔くん今日遅くならないんだよね?」
携帯に届いたマネージャーからの
[着きました]のメールをチェックしながら
ドアに手をかけて翔くんを振り返ると
翔「うん,夜中とかにはならないよ」
言いながら翔くんの指先が
俺の髪の毛をふわっと触る
潤「ご飯一緒に食べられる?」
そう聞くと
翔「あ…いや,ごめん…今日メシは食べてくると思う」
申し訳なさそうに眉を下げるから
潤「そっか,わかった
気を付けて帰ってきてね」
気にしないでという意味を込めて
ちゅっと唇にキスをしてから
今度こそドアを開けて家を出た
いつも
誰とご飯行くよって教えてくれる翔くんの
なんとなく歯切れの悪いような言葉が気になったけど…
決まりなわけでもないし
そういうときもあるか…と思いながら
マネージャーの車で仕事に向かった