第51章 カーフ
Masahiro side
せっかく気を取り直して
昼の準備にかかっていたのに
いきなり唇を塞がれて
挙句の果てに…
雅「はぁっ…ねえ…なんで…抱いてくれないの…?」
昌「…は?」
言葉の意味をすぐには理解できなくて
思わず雅紀をジッと見つめた
視線が絡むと
顔を赤くして
照れながら…視線を逸らして
俯きながら…
雅「昨日の夜も…その…最後まで…すると思ってたのに…」
プツンと何かが切れる音がした
昌「バカ野郎…」
一言呟いて
ネギの匂いが残る手をきれいに洗った
ついでに雅紀の手も無理矢理洗わせて
頭の中が疑問符でいっぱいの雅紀を抱えて寝室のベッドに放り投げた
雅「わっ,わっ…松にぃっ…」
体勢を整えようとする雅紀を
シーツに抑え込む
昌「昌宏…」
雅「ふへ?」
昌「二人の時はそう呼べ…」
雅「ま…ま…まさひろ…さん…」
たどたどしく呼ばれて
思わず顔がにやけるから
それを隠すように首筋に顔を埋めた
雅「あっ…んっ…ちょ…んんっ…待ってよぉ~…」
舌を這わせると躰をびくびく揺らしながら
俺を押し返して
泣きそうな声で待ったをかける
昌「…なんだよ…」
またお預け…?ここまで煽っといて?
つい不機嫌そうな声をあげると
雅紀が怯えたように躰を強張らせた