第51章 カーフ

Masaki side

松にいが言った言葉は予想外すぎて

でもその言葉の意味を理解した瞬間
さっきまでとは違う意味で涙が溢れてきた

嬉しくて…

それなのに松にいはまだ謝るから

それを止めるように
目の前の広くて大きな胸の中に抱きついた

昌「ぅおっ…」

その衝撃であがる声を無視して
ぎゅっと躰に腕を回すと

昌「雅紀…?」

俺を伺うような声が頭の上から聞こえてきた

雅「もう謝らないでよ…嬉しいから…」

胸元に顔を埋めて言うと

昌「え…?」

戸惑った声がする

ちょっと胸から顔をあげて
視線をあげると

俺を見下ろしていた松にいと目が合った

それをそらさないまま

雅「俺も松にいが好き」

そう言うと

松にいの瞳が大きくなる

雅「ずっと…好きだった
だから今日もほんとは勝手にデート気分で嬉しかったんだよ
そしたらいきなりキスされて…だからびっくりしたけど,嫌なんかじゃない…嬉しかった」

その瞳を見ながら

最後まで言い切ると

今までどうしていいのかわからないように
松にいの躰の横にあった腕が
俺の躰を包んだ

その腕の中は温かくて安心して…
また涙が出てきた