第49章 カカオフィズ
Ken side
結局そのまま斗真のところに戻ることもできず
かといって酔っぱらうこともできずに
モヤモヤした気持ちを抱えたまま
皆の輪の中にいた
なんとなく気になって
何度も視線を送る
その度に視線が絡む
でも…それはすぐ逸らされて
別の誰かに笑顔が向く…
…面白くない…
しばらくして斗真が動く気配がして
またそっちを覗くと
坂本くんのいるテーブルに移動するところだった
…なんだ…結局…坂本くんか…
いつもみたいに割って入る…なんて気力もわかない
坂本くんも斗真においでおいでと手招きしてる
…面白くない…
なんだよ…
翔「…くん…健くんっ」
健「ぅわっ…なんだよっ…ちけぇっ」
いきなり櫻井の顔が目の前に来て飛びのいた
翔「さっきから呼んでたんですけどね」
健「なに?また俺とちゅーしたいの?」
潤「ちーがーいまーす!!!」
松本が邪魔してくる
なんだよお前ら…
潤「健くん気になるならあっちの席行って来たらいいじゃないですか」
健「は?」
翔「さっきからすっごい睨んでますよ…あっちのテーブル…」
健「睨んでねーし…」
長「そういえば、今日は邪魔しないの?あの二人…」
長野くんまで参加して
斗真と坂本くんを指さしてくる
健「あーもー…うるさいっ…俺は一人で静かにのんでんのっ!!」
岡「何打ち上げでそんな寂しいこと言ってんの?」
健「ほっとけっ!!」
次々会話に入ってくる皆から逃れて、席を立った
トイレから戻っても斗真は相変わらず坂本くんと笑い合ってって…
なんだよ…
もう俺…完全に…
坂本くんより
斗真の方が気になってるじゃん…
翔「健くん…斗真と何かあったんですか?」
帰りまで一言も口を利かず
出来るだけ距離をとる俺達を見て
櫻井が耳打ちしてくる
健「…怒らせた…」
それはわかるけど
今更どうしていいかわかんない
翔「え…斗真が怒ったんですか…?」
健「たぶんね…」
不思議そうな顔をする櫻井を残して
俺は二次会に向かうメンツの中に飛び込んだ
もう…とりあえず,今日は飲むっ!!