第47章 チューリップ
Jun side
翔くんの車の助手席に乗って
俺と翔くん…二人の家に向かった
途中コンビニに寄って
飲み物とちょっと食べるものだけ買った
家を見に行ったのも各自だったから
俺たちの家に二人で行くのは初めてで…
緊張を逃すように深く息を吐き出して
サイドブレーキの上で繋がれた手を
きゅっと握ると翔くんも同じように握り返してくれる
些細なことだけど…そんなことにも幸せを感じる
駐車場に車が停まると
翔くんの腕が首元に伸びてきて
俺のネックレスからお揃いの指輪が外された
翔「手…貸して?」
左手に指輪がはめられる瞬間…また涙が零れる
翔「また目腫れるよ?」
潤「幸せの涙だからいーのっ」
ふふっと笑いあって
俺も同じように翔くんの左手に指輪をはめた
エレベーターに乗ると
どちらからともなく指先が絡みあう
翔くんがポケットから取り出した鍵は
俺のキーケースにも同じものがついていて…
どちらかの家のものじゃなくて
二人の家のそれが嬉しい
ドアが開けられて
緊張で少し震える足で一歩玄関に入った
先に入った翔くんが靴を脱いで
その腕の中に引き寄せられた
翔くんから聞こえる心臓の音も
いつもよりも少しだけ早くて…
潤「…ただいま」
ぎゅっと背中に腕を回して言うと
耳元に優しい声が響いた
翔「おかえり…」
*To be continued....