第47章 チューリップ
Sho side
ホテルから2週間ぶりの帰宅
仕事を終えて自宅に送ってもらうと
マネージャーは大げさなほどに喜んだ
「よかった…ホント…よかったです…」
翔「迷惑かけてごめんね…」
「松本さんと,ちゃんと元通りになってくださいね」
帰り際そんなことを言われて
その言葉に少し引っかかったけど
深く聞き返すこともなく見送った
今回の事でいろんな人に心配と迷惑をかけたから…
メンバーにも…
松岡くんにも…
斗真や……小栗くんにも…
謝らないと…な…
家に帰ると,家主の居なかった部屋は埃っぽくなっててもおかしくないのに
驚くほど綺麗だった
むしろ…服は畳まれて…
荷物は寄せられて
出ていく前より綺麗になってる…?
潤が…掃除してくれてたのかな…
ところどころに感じる潤の気配に胸が熱くなった
窓を開けると街のネオンの上に
うっすらと星空が広がっていて
まん丸の月がネオンにも負けずに
夜空を照らしていた
潤の家から飛び出したときは
ひどい雨で…何も見えなかった景色が今…ここにある
ベランダから見える駐車場の入り口に
見慣れた車が滑り込んだ
潤だ…
ほどなくしてインターフォンが鳴って
玄関を開けると月明かりに照らされた潤が
キラキラの笑顔を浮かべて立っていた
俺の大好きな天使の笑顔
戻ってきてくれた…
翔「おかえり」
抱きしめると蘇ってくる
愛しい瞬間
二人でいるから生まれる
本当の宝物…
買い物袋を受け取って
手を繋いでリビングに入った
もう一度抱きしめて
深く唇を重ねた