第46章 ヒヤシンス
Jun side
潤「ありがとうございましたっ」
テレビ誌の撮影と取材を終えて
スタジオにいたスタッフに向けて声をあげると
「お疲れ様でしたー」
いろんなところから声が聞こえる
そのままスタジオを後にしようとすると
「松本さんゆっくり休めたんですね」
背後から声が聞こえて振り返った
潤「え?…あ…」
後ろには顔馴染みの記者さんがいて…
そういえば…この間心配してくれたっけ…
優しく向けられるその顔に
いろんな人に気にかけてもらえてるんだ…と
改めて思った
潤「はい…ご心配おかけしました」
今日は…
心からの笑顔を向けると
記者さんも嬉しそうに笑ってくれた
スーパーに寄って夕飯の材料を買って
安全運転で…
でも急いで翔くんの家に向かう
ハンドルを握る手が少し…震えていた
マンションの
いつものところに車を停めて
インターフォンを鳴らすと
すぐに応答があってエントランスに足を踏み入れる
足元を綺麗な満月が照らして
大きな影が伸びていた
部屋の前につくと
タイミングよく玄関のドアが開いて
部屋の中に素早く足を踏み入れた
ようやく…
翔くんのいるこの部屋にたどり着けた…
潤「…ただいま」
久しぶりのこの会話が嬉しくて
ふふっと微笑いかけると
ぎゅっと背中に温かい腕が回る
一筋零れ落ちた翔くんの涙に唇を寄せると
安心できる愛しい声が耳元に響いた
翔「おかえり」
*To be continued....