第46章 ヒヤシンス
Sho side
潤「俺はっ…翔くんじゃなきゃやだっ…だから…俺の将来考えてくれんなら…傍にいてよっ…」
嗚咽交じりに…でもしっかりと届く声で
俺を離さないで居てくれる
俺が怖くて突き放したモノを
潤が繋ぎ止めてくれた
潤が離れて行ってしまうのが怖くて
自分から離れたのに
結局…孤独に耐えられなくて
俺が…俺自身が…
潤が居ないとダメなんだ…
翔「じゅん…っ」
何日かぶりの潤の温もりを
この手で抱きしめ返した
涙が溢れて…
でもそれは全部潤に吸い取られていく
俺の肩も濡れていた
翔「ごめん…ごめんな…」
震える躰を強く抱きしめると
潤の躰から力が抜けて
不安の色が小さくなっていく気がした
自分の不安を潤のせいにして
自信のなさに幻滅して
守りたいのに…
一番大切な存在なのに
結局俺が傷つけていた
でも…俺の不安を拭ってくれるのは潤しかいない
孤独の果てから引き戻してくれるのは
この…潤の温かいぬくもりだけ…
潤「謝らないでよ…俺が…甘えてたんだ…」
潤が顔を覗き込んで涙を拭ってくれた
それは違う
俺が向き合わずに逃げた
だから傷つけてしまった
翔「俺は…潤を幸せに出来る自信がなくて…勝手に逃げたんだ…不安な顔を見るのが怖くて……逃げた…」
重くのしかかる言葉
潤「でも…戻ってきてくれた…」
自分の言葉で抉られた心を潤が優しく包んでくれる
潤「それに…旬に色々言われて…俺の為を思って…離れようとしたんでしょ? 」
潤が「ごめん…」と哀しそうに目を伏せた
翔「それはっ…小栗くんは…潤の事をホントに心配してるんだよ…だから…小栗くんも潤も悪くないだろ?」
小栗くんとの関係を悪くしてほしくなかった
潤の事を大切に思ってくれる
大事な存在だから…