第46章 ヒヤシンス
Jun side
潤「えっと…」
電話をかけておいて
何を言えばいいか悩んでるうちに
手のひらに痛みが走った
思いっきり爪を立てて握り締めていたらしい…
黙っていた電話の向こうから
小さく息を吐く音が聞こえて
旬『潤は…将来をどう考えているの?』
その後にハッキリとした声が聞こえた
潤「将来…?」
旬『結婚とか…子供とか…』
“結婚”というワードに思わず躰が動くけど
その後に聞こえた言葉に
潤「翔くんと付き合ってるって言っただろ?子供なんて…」
そう言うと
旬『でも,潤の両親はお前の子供,楽しみにしてるだろ?』
言葉を遮るように言われて
思わず口を噤んだ
旬『アイドルだからって…ずっと誤魔化すの?』
…確かに,そうだけど
でも
潤「子供は…作れない」
奥さんと笑いあって
子供と遊んだりして…
そんな将来を夢見たことも確かにあった
だけどそれは子供の頃の話
潤「親にどう話すかとかは…これから考えていく
でも…なんて言われても俺は翔くんといたい」
今は親の望みを叶えてあげられなくても
翔くんといる未来を見ているから…
しっかりと言い切ると
旬『それで…本当に幸せなの?』
向こうからもしっかりと…
でも心配してくれていることがわかる声が聞こえてきた