第46章 ヒヤシンス
Jun side
潤「あ…また来てる」
翔くんと外でご飯を食べて
今日はそのまま家にお泊まり
帰ってきて郵便受けに入っていた郵便物に目を通していると
ここ最近よく目にするハガキがまた入っていた
翔「ん?なにが?」
キッチンで水を飲んでいた翔くんが俺のとこに来て
手元の紙を覗き込む
翔「結婚式の招待状?」
そう…と言いながら
とりあえず纏めて棚の上に置いて
翔くんが持っていたペットボトルに口をつける
潤「30代になってからよく来るんだよね
同級生の結婚式のやつ」
そう言って翔くんの隣に腰掛けてその肩に凭れる
翔「あー…俺も30代になって増えたなあ」
肩を抱き寄せられながら目を閉じると
さっきのハガキが浮かんでくる
…結婚,か…確かに適齢期だもんなあ…
その文字をよく目にするようになってから
少しだけ…俺と翔くんのこの先を考えることがある
結婚ができないのはもちろんわかってる…
それでも何か…
不確かすぎるこの関係に確かなモノが欲しい
翔「潤?眠いの?」
その声に瞼を開けると
翔くんの顔が目の前にあって
少し躰を離してその首に抱きついた
潤「眠くないよ?ちょっと考え事…」
そう言って確かな何かを得るように唇を重ねた