第1章 チャンパー*Champi*
Masaki side
俺もかずも
気づいたら翔坊っちゃまが好きだった
雅紀って呼んで可愛く笑ってくれて
ちょっと不器用だけど
でも何にでも一生懸命で
そんな翔坊っちゃまの成長が嬉しくて
どんどん好きになっていって
でも俺らは使用人で
だから“坊っちゃま”って呼ぶのは
俺にとっては線引きだった
それなのに
俺の気持ちを知らない坊っちゃまは
それをやめてくれと言う
雅「坊っちゃま,いってらっしゃいませ」
和「お気を付けて」
翔「いってきます!」
カッコよくスーツを着た坊っちゃまを
玄関でお見送りして
基本の仕事が坊っちゃまのお世話な俺達は
坊っちゃまの部屋の掃除に取りかかる
和「坊っちゃまをやめろなんて酷なこと言うよなー」
窓を開けてベッドのシーツを外しながら
かずが苦笑いをする
雅「翔…って?俺我慢する自信ねーよ,そんなことしたら」
俺も同じように苦笑して
棚の上をハタキでたたいて埃を落とす
和「そういえば坊っちゃまの誕生日プレゼントの件,旦那様に許可貰ったよ」
ピシッと綺麗に新しいシーツを被せたかずが
満足気に笑う
雅「あ,ほんと?坊っちゃま喜んでくれるといいね!」
俺もそんなかずに笑いかけて
坊っちゃまの喜ぶ顔を想像して嬉しくなった