第1章 チャンパー*Champi*
Sho side
朝,雅紀とカズに起こしてもらえると
その日が気持ち良くスタートできる
2人がうちで働くようになってから
毎朝起きるのが楽しみなくらいで
違う人だと俺のコンディションは最悪になるから
もう絶対,朝は2人以外来なくなった
雅紀はスラッとしてカッコ良くて
すごく笑顔が綺麗で優しいし
周りをパッと明るくしてくれる
俺の憧れの人
カズは可愛い顔してちょっと毒舌で
でもホントはすごい優しくて
いつも俺の変化に気付いてくれる
俺の憧れの人
早く2人みたいになりたくて
一生懸命勉強したし
2人が応援してくれる事はなんでも頑張った
大学も一流と呼ばれる所に合格して
今日はやっと成人式
大人と呼ばれる年齢になったから
2人に少し追いつけた気がして嬉しかった
翔「おはようございます」
両親に挨拶をしながら朝食の席についた
雅「坊ちゃま,お飲み物はいかがなさいますか?」
翔「……珈琲,ブラックで」
雅「かしこまりました」
両親の前でかしこまってる時なんて
見惚れちゃうほどカッコイイ
翔「…ぅ…ん…」
でも雅紀に入れてもらった珈琲は苦くて…全然美味しくない…
和「坊ちゃま…どうぞ…」
ニコっと微笑まれて
ミルクと砂糖を差し出された
なんでカズにはわかっちゃうんだろうな…
しぶしぶそれをカップに落とした
翔「てかさ…もう坊ちゃま,はやめてよ…もう成人なんだし…」
俺の言葉に2人は一瞬顔を見合わせる
でもすぐに向き直って
雅「坊ちゃまは,坊ちゃまですから」
和「いくつになっても,それは変わりませんよ」
にっこりと笑って
はっきりと言われた
…面白くない…
せっかく2人に追いつけると思ったのに
いつまでたっても2人は遠い…
翔「なんだよ,ケチっ」
膨れたら,2人は困ったように笑っていた