第2章 ナービー*Nabi*
Jun side
庭の花壇にキレイな花がたくさん咲いた一軒家
チャイムを鳴らすと
パタパタとスリッパの音が聞こえて
「はぁーい」
俺が家庭教師をしている生徒…二宮和也くんのお母さんが出てきた
潤「こんにちわ,お邪魔します」
用意されたスリッパに履き替えて
いつも通りカズくんの部屋に向かって
コンコンとノックをしてから入ると
和「先生っ!」
可愛い笑顔が迎えてくれた
その笑顔に心臓が跳ねて
思わず腕の中に包みたくなるのを
頭にポンと手を置いてやり過ごした
潤「こんにちわ」
そう言ってから
俺より少し低い位置にある瞳と視線を合わせて
潤「誕生日おめでとう」
そう言うと
和「ありがとうっ!潤先生だいすき!」
嬉しそうに笑って
茶色がかった瞳の中に俺が映された
会うたびに言ってくれる
“すき”の言葉に
そういう意味ではないとわかっているけど
頬が緩みそうになるのを抑えられない
それに今日はカズくんの誕生日だから…
どんな形であれ
愛しい人の生まれた日に一緒にいれるのは嬉しくて
でもそれがバレないように
潤「宿題,全部終わってる?」
いつも授業のときに座ってる
机の隣にあるイスに腰掛けながら
机に広がっていたノートを手に取った