第1章 チャンパー*Champi*
Kazunari side
ベッドの上に座らされて
引き寄せられて…
赤い顔の坊ちゃまが
俺達をみて微笑む…
…このシチュエーションは…マズイだろ…
ドキドキしすぎて回らない頭で
やっと状況を理解した時
雅「よろこんで頂けて良かったです…」
雅紀が震える声でそう言って
坊ちゃまの肩に手をかけた
…ヤバイ…我慢できなくなってる…
思わずその手に手を重ね,強く握った
雅「……ぁ…」
雅紀が泣きそうな顔で俺を見てる
…わかるけど…ダメだろ…?
ここまで何年もかけて築いてきた俺達の立場と
坊ちゃまや、旦那様たちとの関係
それを,一時の気の迷いで
壊すわけにはいかない…
和「坊ちゃま…我々は失礼しますから…着替えてくださいね?…早くお休みになられた方がいいですよ…?」
あえて少し強めに促した
それは…坊ちゃまへではなく
俺達への…戒め…
翔「うーん…」
そっと手を離してベッドから立ち上がろうとすると
潤んだ瞳で上目遣いで見上げる坊ちゃまの熱い手が俺達の手を捕えた
翔「帰っちゃうの…?」
ガツンッと後頭部を何かで殴られたような衝撃が走った
息が止まって空気が上手く吸えない…
ガンガンと心臓の音が
頭の中で鳴り響いていた
雅「坊ちゃま…」
ピンと張り詰めた沈黙を破ったのは雅紀だった
離れかけた躰を戻し
再び肩に手をかける
あ…
気付いた時にはすでに
その手はジャケットを脱がしていて
雅「着替えましょう?お手伝いしますから…」
もう俺には止めることもできなくて
ただ手をグッと握りしめて
その光景を見ていた