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大野さんのバカ

第3章 3


Satoshi side

浴室から出て水を飲んで

携帯を手にした和也はただ黙って画面を見つめている

その横で躰を支えて

何でも答える,とは言ったものの
多少の緊張が俺にも走る

携帯画面の上で指を滑らせていた動きが止まって
その携帯をベットに置いて

和「何個かあるんだけど…聞いてもいい?」

静かな
少しだけ震えている声が聞こえた

支えた躰をベットヘッドに凭れさせて
俺もその隣に並んで座って

和也の手を指を絡めて握る

智「ん,何個でも…
モヤモヤすること,全部吐き出して?」

大きく深呼吸してから

和「ピンクの絵の具の…壊しちゃった絵…
あのヒトのだったんだね?」

その言葉にピンクに指を染めて
申し訳なさそうに謝る和也の姿が蘇る

智「ああ…うん,そう
リンが描いて…俺も気付いてなかったんだけど
置いていってたみたいで…」

いつ気付いたのか,と問い返す俺に

和「あのヒトのインスタグラムに写真があった」

と言われて

リンが撮ったらしいいろんな写真が
ネットで出回ってるのは知っていたけど
そんな絵まで載せていた,なんて知らなくて

他にどんなモノがあったのか,と
少し不安になる
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