第2章 2
Kazunari side
誕生日の日以来
大野さんとはまた
すれ違いの生活になった
7月に入って
大野さんは上海で個展が開催中
まもなく日本でも始まる予定
もう作品制作は終わってるんだろうけど…連絡が取れないことが多いから
まだ何かと忙しいんだろうな…
俺は俺で大きな映画と
大きなドラマのロケ…
他にもいくつか大口の仕事が入って
四方に飛び回っていた
雅「ニノ,これ誕生日プレゼント~遅くなってごめんね」
今日は月一の雑誌の特集で相葉さんと二人きり
どうせなら大野さんと二人が良かったな…
なんて思ったのは相葉さんには内緒
一ヶ月遅れでもらったプレゼントは,どこからか取り寄せた特注品らしい
和「これはこれは,たいそうなモノを…ありがとうございます……遅かったから呪ってやろうと思ったよ」
笑いながら言ってやった
雅「それラジオで聞いたよ?だから焦って持って来たの…他には?誰かから何かもらった?」
相葉さんに聞かれて「うん,コレ…」と思わず右腕を見せそうになった
でも,やめた
コレは大野さんと俺との秘密…
ホントは,すごい自慢したいんだけど
この温もりは俺だけが知ってればいいから
和「誰からも…まったく薄情な人たちですよね」
言いながら無意識に右腕を触った
シャラッと揺れる重みが心地よかった