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大野さんのバカ

第2章 2


Kazunari side

とにかく触れたくて
大野さんが欲しくて

玄関に入ったら抑えがきかなかった

扉に押し付けて大野さんを求めた

でも…

智「先に飯にしよう?
俺腹減っちゃったよ」

そんなこと言うから

また,お預け…

でも仕事が終わるのを
ずっと待っててくれたんだから

俺も待たないと…

自分に言い聞かせて
テーブルにつく

乾杯のあと

智「ニノ,誕生日おめでとう」

おもむろに差し出された
軽くラッピングされている
四角い紺の箱

和「…え…俺に?」

当たり前の質問をして
大野さんに笑われた

ドキドキする心臓を
落ち着かせながら

震える手でその箱を開けた

和「これ…手作り?」

聞くと「うまいだろ?」って
ニヤリと笑いながら
きらりと光るブレスレッドを
そっと手にとって
俺の右腕につけてくれた

右腕に光る
大野さんの愛の証…

和「ありがと…」

小さくしか言えない

それ以上何か言うと
涙まで出てきそうで

誤魔化すように俯いて
ずっと右腕だけを見ていた
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