第6章 ニノさんのアホ
*N*
智の膝の上で
俺の名前がでっかく載ってる週刊誌の表紙を眺めてみた
なんだこれ…
事務所の人間に若干小言を言われながら渡されたソレ。
疑問しかない。
和「ねーねー、大野さん、俺って魔性の女に捕まってるらしいよ?」
*S*
本当ならこんなもの…怒るべきものなんだと思う
でもさすがにコレは…
思わずふふっと笑いがこみ上げてきた
智「魔性の女?俺?年齢もぴったりだもんね」
まあ…俺は美人ではないけど…
でも家に誰かが出入りしてないのなんて
俺が1番よくわかってる
*N*
和「美人な35歳…智のことだね。バレちゃったね?」
ふふっと笑うと、手が伸びてきて、髪を撫でながら、俺から雑誌を取り上げた
*S*
取り上げた雑誌をポン…と放って
カズの頬にキスを落とす
智「でもさ…俺キャスターではないんだよね…」
自分とは違う点をあげて
何気なくカズを見ると
ふっと視線が逸らされた…気がした
*N*
まぁね。
そうよね。
でも、こんな人、俺の部屋に来てないし…
毎日帰ってきてるのは智だし。
それは智が一番わかってるでしょ?
起き上がって
智の膝の上に向き合うように座り
首に手を回した
和「キャスター…って翔さんとか?」
冗談でかわしてみると
智も笑ってくれた