第4章 4
Kazunari side
智の上からなんとか降りて
その横に突っ伏した
乱れた呼吸も整わないし
何より躰が動かない
良く考えたら
ライブ終わってからも
打ち上げしたり
宮城でギリギリまでいろんな仕事をして
さっき帰ってきたところ…
体力も限界だった
肩で息をしてる俺の髪を
サラサラとかきあげる優しい手
気持ちよくて眠くなってくる
ふっと睡魔に身を委ねようとした瞬間
躰に手が添えられて
グイッと抱き上げられた
和「え…わ,ちょ…え?」
ビックリしたけど
上手く躰に力が入らなくて
首に回した手でなんとかしがみついた
智「そのままね,お風呂いこう」
そう言うと智はそのまま歩き出した
抵抗する体力も残ってなかったけど
…重いよね…?
智とは体型も対して変わらないし
俺のが体重も重いんじゃ…
智「大丈夫だから,つかまってて」
俺の心配に気づいたのか
そんな風に笑った
抱えられたままお風呂場に入って
椅子に降ろされる
和「疲れてるのにごめん…」
智「大丈夫だって
むしろ…セーブきかなくて,ごめん」
お互いに謝り合ってるのが面白くて笑えてきた
智は俺の躰を綺麗に洗ってくれて
その間に溜めていた湯船にまで運んでくれた
やっぱり一緒に入るのは照れ臭いけど
一緒に居るこの空間が
全部自分たちだけのモノになっていく気がして
智の隣に居ることの幸せを
噛みしめていた