第4章 PRESENT OF HEART
チャコ6ー① 「いつもありがとう」
<翔>
翔「はぁ…っ…智くん…」
智「ん…っ…」
翔「カズ…」
智「雅紀…」
雅「ん…潤ちゃん…」
皆で沢山キスをして
確かめるように抱きしめあった
両親は昔からなかなか帰ってこないけど
智くんと弟たちが居たから寂しいなんて思ったこともなかった
5人でこうしていられることが嬉しくて
ずっとこうしていたい…と思う
きっと皆も同じだとわかるから
もっともっと
5人分…幸せな気持ちになれる
雅「皆でお風呂入ろうっ」
皆ではさすがに無理だったから
順番に入って…
皆で和が綺麗にしてくれた俺と智くんの部屋に集まった
床にも布団を敷いて
ぎゅっとくっつきながらゴロゴロする
潤「あー…幸せっ」
そう…こんな当たり前の幸せもあるんだって実感できて…すごく嬉しい
ただ…
ただね…
…俺には気になってる事が一つある…
翔「なぁ…今日って…何の日だって?」
和「翔にぃ…学校の先生のクセに知らないの??」
雅「勤労感謝の日だよ!」
潤「だからにぃ達に御礼がしたかったのっ」
「ねー」なんて可愛く笑ってる
…でもさ…
お兄ちゃん情けない…
智「どーしたの?翔くん…悲しそうな顔して…」
この人もわかってないしっ
潤「翔にぃ?良くなかった?…あ…最初…邪魔にしたから!?」
潤が慌てて抱きついてくる
…まぁ…それもね…
俺には結構ショックだったけどさ…
翔「はぁ…あのさ…」
大きなため息を吐いて
3人の弟達に交互に視線を送った
キョトンとして…可愛い…
雅「翔にぃ?」
…じゃなくてっ…
翔「あのさ…今日………敬老の日じゃね?」
チラッとカレンダーに目をやれば
ちゃんと書いてある
“敬老の日”と
「「「「………………へ?」」」」
すっとぼけた声が4つ上がった
潤「な…に言ってんの?」
雅「翔にぃってば…もぉ~」
しばらくの沈黙のあとで
潤と雅紀が硬い声で笑う
…いや…冗談じゃねーし…
智くんはおもむろに立ち上がって
カレンダーに近づいた
智「あ、ほんとだ…今日…19日は敬老の日で…22日は秋分の日だね?あり?勤労感謝の日はいつだっけ??」
ふにゃっと笑って振り向くと
3人はさらに固まってしまった
可愛いけどね…
見逃せないんだよね…
教師としては…
ま…どんまいっ