第3章 CARNIVAL NIGHT
ちろ①-1 「旅の始まり」
〈 智 〉
翔「忘れ物ない?」
久しぶりに兄弟全員で取れたまとまった休み
お盆も近いし
じいちゃんばあちゃんのところに顔を見せに行こうとなって
朝から翔くんが忙しそうに動いてる
潤「ねえ翔兄…いつも思うんだけどさ…荷物多くない?」
和「だよね…何そんなに毎回いれてんの?」
パンパンになったボストンバッグを見ながら
潤と和が引き気味で見てる
翔「逆にみんな荷物少なすぎだろ!」
そこにまだ荷物を詰め込もうとする翔くんを
雅「ああっ!だめだよ!カバン壊れちゃうっ」
雅紀が必死に止めていて…
そんな様子を見ながら
智「ねえ,浴衣ってどこだっけ?」
声をかけると皆が一斉にこっちを向いた
潤「浴衣?何すんの?」
言いながら一番に動いてくれた潤が
クローゼットの奥から浴衣を五着持ってきてくれた
智「確かこの時期花火大会あったなあって思って」
潤にお礼を言って浴衣をいれるカバンを出すと
翔「ああー!あったね,結構大きなやつだよね?」
雅「花火大会!?行きたい!行こうよみんなで!」
和「雅兄うるさい…」
潤「花火大会とか久しぶりだねっ♪」
リビングは一気に盛り上がった
智「翔くんカバン重くない?」
翔「全然平気だよ,ありがとう」
賑やかに前を歩く弟たちを見ながら
翔くんとのんびり歩いて
電車でおいしい駅弁を食べて…
俺たちの住むところより緑に囲まれた駅に降り立った