第2章 GOLDEN WEEK
ちろ①-1 「お化け屋敷」
〈 潤 〉
5月1日
久しぶりに兄弟みんなが纏まった休みを取れたゴールデンウィーク
5人で最近出来た遊園地に遊びに来ていた
でも…
潤「ほんとに入んの…?」
俺の目の前にはお化け屋敷…
和「何,潤くんビビってんの?」
潤「ビ,ビビってねーしっ!」
和兄にニヤリと笑われて思わず強がってしまった…
ココ…怖いってこの間テレビでやってたのに…
一歩踏み入れるともう真っ暗で…
足元も微かにしか見えない…
智「へー…結構暗いねー…」
少し前の方から智兄の呑気な声が聞こえる
ドンドンドンドンッッ
突然大きな音が響いた
雅「わぁぁっ!」
和「ちょ…っ…雅兄うるさい…っ」
さっきビビってないって言った手前
驚く声なんて聞かれたくなくて
唇を噛みしめて堪えると
手が何かにコツンとあたった
潤「…っ!」
それさえもびっくりして躰を跳ねさせると
それに柔らかく手が包まれる
翔「潤…俺だよ?」
少し躰が引き寄せられて
優しい声が斜め上から聞こえてきた
潤「しょ…にい…?」
声の方を見上げると
暗闇に少しだけ慣れた視界に
翔兄の顔がうっすらと見えて安心した
智「カズー?潤ー?大丈夫?」
和「全然平気!!」
前から聞こえる声に
潤「俺も平気っ…」
返事をして躰を翔兄に寄せると
大きな音も突然出てくるお化けも
さっきまでより怖くなくて…
ぎゅっと手を握りあって暗闇を歩いた