第1章 A HAPPY NEW YEAR
〈 智 〉
雅「智兄ぃ!まだー?」
玄関から雅紀の声が聞こえて
智「今行くからー」
返事をしながらリビングを出た
智「コレ落ちてたけど誰の?」
途中で拾った手袋を見せると
潤「あ,俺のだ」
白い息を吐きながら潤が片手を差し出してくるから
その手に手袋をはめてあげる
潤「ありがと!」
潤の可愛い笑顔に抱き締めてキス…したくなるけど
翔くんに早くしろって怒られそうだから我慢
スケジュール管理にうるさいからね…
翔「行くよー」
寒い!って言いながら
雅紀を真ん中にくっついて歩く末っ子2人を
翔「智くん寒くない?」
智「翔くんがくれたマフラーあるから平気だよ」
翔くんと眺めながら神社への道を歩く
神社で2015年のお守りを納めてから
今年の“家内安全”のお守りを買って
和「うー…冷たい…」
雅「手が凍りそう…」
手水舎でお清めもちゃんとしてから
お賽銭を投げて5人並んでお参りをする
チラリと横を見ると
みんな目を閉じて手を合わせていて…
オイラは何をお祈りしようか
横目で弟達の顔を見ながら考えていると
お祈りが終わった翔くんと目が合って
ふっと微笑まれた
雅紀もかずも潤も目を開けて前を見て…
その顔は冬の冷たい空気の中で
キラキラと輝いていて
…やっぱり今年もコレかな
もう1度手を合わせ直して目を閉じた
“今年も兄弟5人愛に溢れて過ごせますように”
―おわり― ちろ②
【A HAPPY NEW YEAR 終】