第23章 レイヴンscene1
だんだん、翔と俺はこれでいいんじゃないかと思い始めた。
逢瀬は月に一回だけ。
忙しかったらそれも流れる。
会う度に翔は淫らになって俺を求めてくるけど、俺と付き合う気はない。
潤とは順調に行っているし、翔のことも気づいていない。
たまに楽屋やトイレで翔に求められることはあるけど、仕事に支障のないように考えてくるから、問題ない。
翔はあくまで『日陰の女』というスタンスを崩さない。
俺はこの甘い蜜に夢中だ。
手放す気はない。
潤との日向のような温かさも手放すつもりはない。
だったら、これでいいじゃないか。
温かい海と、深海を行ったり来たりしながら、俺はくらげになる。
ゆらゆらと揺られて、どこまでも流される。
それでいい。
行き着いたところ。
それが俺の居場所だ。
「雅紀…もっとちょうだい…」
翔が俺に貫かれながら囁く。
「まだ足りないの?今、イったばっかりだよ?」
「もっと…おかしくなりたい…」
「ん…本当に…こんな淫乱だなんて…知らなかったよ…」
そういうとぐいっと翔の奥にねじ込む。
「ああんっ…雅紀っ…好きっ…」
「俺じゃないだろ…俺のアソコがすきなんだろ…翔…」
「ちがう…雅紀が好き…」
「かわいいね。翔、俺も好きだよ…」
翔の中で、俺も果てた。
夢の様な気分で。
【END】