第3章 きみどりscene2
汗が幾筋も俺を伝ってかずの上に流れる。
もう俺もかずもドロドロに溶けて、原型をとどめていないのかもしれない。
「かず…かず…いくよ?」
「さっ、さと…中に」
「え?」
「な、かにだし、て」
激しく揺さぶられながら、かずは要求してくる。
「だって…」
「いい、から。出し、て。一緒に…」
「ああっ…イク…イクよ…」
「きて…」
かずの白い手が俺の首に巻き付いたとき、ふたりとも弾けた。
息遣いが、部屋の中に響く。
かずを抱きしめていた身体を起こすと、かずの出したものが俺の腹をねっとりと流れた。
目を閉じ、ひたすら無意識に荒い呼吸を続けるかずの髪を撫でた。
かずは意識を手放していた。
かずの中から出ると、一緒に俺の出した白い液体も出てきた。
丁寧にそれを拭いた。
意識のないかずの身体を抱えると、バスルームへ連れて行った。
先ほど入った時に張ったお湯へ、かずを入れる。
一緒に入って、かずを後ろから抱きしめる。
ぐったりとしたその身体を抱きしめていたら、愛おしさが止まらなくなってぎゅっと抱きしめた。
「かず…好きだよ…」
「さと…し…」
かずの手が俺の手を握る。
「俺も、すきだよ」
風呂から上がると、かずが立てないので、また抱っこしてでてきた。
俺達は笑いながら、お互いの髪を乾かした。
穏やかな時間が、また俺たちを包んだ。
こんな時間がずっと続いたらいいな。
そうそう、かあちゃんからもう一個、実はかずにプレゼントがあった。
食べ物の入った紙袋には、俺の部屋の合鍵が入っていた。
その鍵には、赤いリボンが結ばれていて、また俺達は二人で笑いあった。
とてもあったかい幸せな笑いだった。
【END】