第19章 シーモスscene1
カズヤの教えてくれたことは、大事に守った。
そして時間が経つと、デジタル回線が繋がったようにクリアになった。
俺と雅紀のセックスは常に快感で。
俺たちは自信を持った。
そして、ある日カズヤに電話をかけた。
『もしもし?翔?』
「カズヤ、元気?」
『元気だよ。翔たちは忙しそうだね』
そういってふふっと笑った。
「見ててくれたんだ、ありがとう」
なんだか照れた。
『見てるよ。ずっと。見てるからね』
「今、どこにいるの?」
『ロンドン』
「え?」
『パパと一緒に暮らしてるの』
「え?マジで?」
『うん。でも翔と雅紀のことは見てるからね』
「そっか…カズヤ?」
『うん?』
「今、幸せ?」
『うん。とっても』
「よかった…」
『翔は?雅紀は?』
「これからだよ。カズヤ」
『そっか…頑張ってね』
「それを言おうと思って電話したんだ」
『…ありがとう…』
「俺たち、すごく感謝してるから」
『いいのに…』
そう言うと、寂しそうに笑った。
『今度は良い報告待ってるよ』
「うん。良い報告できるようがんばるよ、先生」
『ふふっ…いいね、先生。これからカズヤ先生って呼んでよ』
「わかった」
少し笑った。
「カズヤ…俺たちカズヤが好きだよ」
『ありがとう。翔』
「じゃあな。また電話する」
『うん。待ってる』