第17章 ヴィンテージ・ワインscene1
あ、これがいけないんだった…
「潤が…」
「え?」
「潤が、全部俺の物だって言ってくれたから。俺の精子飲んでくれた時。…俺も同じ気持ちだったから、飲みたかったの」
「和也…」
「同じ気持ちだってわかって、うれしくって、あんなになっちゃったんだと思う」
「和也…お前…かわいい…」
ぎゅううっと抱きしめられた。
「かっ、かわいくなんかないでしょ!潤の意識飛ばすなんて…」
「俺は嬉しかった!最高にハッピーだった!だから問題ない!」
「…もう…バカ…」
「もっと、言って。和也…」
「え?バカ…?」
「ちげーよ。もっと本音言って?これから」
「え…」
「俺、もっとお前を幸せにするから。だから、言ってお前のほんとの気持ち」
「うん…」
「お前を丸ごと欲しいから」
「うん…俺も潤が全部欲しい…」
「俺、頑張るから…和也にふさわしい男になるように」
「うん…俺もがんばる…」
「俺、自信なくて逃げてた」
「え?」
「お前にかなわないから、逃げてた」
「え?なんで?」
「なんでもいいの。だけど、もうやめるから。逃げないから」
そういうと、潤は俺を湯船から上げてくれた。
髪をゆっくりと丁寧に洗ってくれた。