第3章 きみどりscene2
窓枠をカタカタと揺らす音で目が覚めた。
意識が覚めてくると、ごおごおという風の音が耳に入ってきた。
ああ、そっか。台風。
俺は腕の中にいる、あたたかい塊をそっと抱きしめた。
髪が頬を掠める。くすぐったい。
規則正しい寝息をたてるそのあたたかい塊は、俺の胸で静かに眠ってる。
昨日は血の気のなかった唇は、今日はだいぶマシな色になってきてる。
だいぶ、満タンになってきたかな?
かず
その名前を呼ぶと、とても幸せな気持ちになる。
もっと幸せになりたくて、その髪の毛に顔を埋めてたっぷりとその香りを吸い込んだ。
俺、大野智。
昨日、恋に落ちた。