第16章 ラズベリーscene2
翔ちゃんはそれから、次の日の午前中いっぱい、昏々と寝続けた。
少し熱っぽかったから、俺は頭に濡らしタオルを乗せながら傍に居た。
ばかなことしちゃったな…
翔ちゃんに煽られて。
あんな乱暴にしなくったってセックスなんてできるはずなのに。
でも俺は翔ちゃんに触ると止められなくて。
お昼近くになって翔ちゃんが目を覚ました。
「まだ寝てていいよ。お昼、なんか作るから」
「…智くん…俺、昨日…」
「うん?」
「あんなの初めてだった」
「え?何が?」
「……気持よかった……」
起きるなり、そんなエロいこと言っといて、恥ずかしがってタオルケットを頭からかぶった。
あんまり愛しくて、俺はタオルケットごとぎゅっと抱きしめた。
「じゃあまたしてあげる」
「……休みの前の日にしてください…」
それからおかゆを二人で食べて。
また二人で寝た。
今度はセックスなんかしなくても満たされてた。
手を繋いで、ふたりでたくさん眠った。
俺の心にあったささくれはすっかりなくなってた。
心が幸せで満たされてた。