第16章 ラズベリーscene2
「翔…」
俺は翔ちゃんを仰向けに横たわらせると、キスをした。
今日は暴走しないで、大事にできた。
ちょっとでも翔ちゃんの体力を消耗しないですんだ。
いくら翔ちゃんがメチャクチャにしてって言ってもやっぱり。
大事な人には健やかに過ごして欲しいし。
キスをしていたら、翔ちゃんがなにか言った。
「ん?」
よく聞き取れなかったので、耳を寄せる。
「智くん…」
「どうした?」
「もっと…乱暴にして…?」
「えっ…」
「俺を…もっとかき回して?」
「ど、どうしたの?」
「俺の身体に智くんをいっぱいだして?」
「翔?」
「智くんを感じたい…もっともっと感じたい…」
そう言って涙を流した。
もうそれからは、いつもの俺になって。
後から考えたら、翔ちゃんの言葉責めにヤラれたなと思う。
乱暴に翔ちゃんの中に入った。
翔ちゃんは泣いてたけど、構わず腰を打ち付けた。
もう止まらなかった。
「あっ…ああっ…智くんっ…」
翔ちゃんが枕を握って耐えてる。
俺はそれをどこか遠い世界のことみたいに、眺めてた。
俺の先の感覚だけに集中してた。