第16章 ラズベリーscene2
「ちょっ、ちょっと待って」
翔ちゃんは待たない。
上着のボタンを外し終わると、ズボンもパンツもさっさと脱いだ。
呆然としている俺のパジャマもさっさと脱がす。
「待ってって、翔ちゃん!俺が我慢してるのがバカみたいじゃん!」
「バカだよっ!」
「ええ!?」
「そんなこと遠慮してるなんてばかだよっ!」
「そんなことって…」
「俺だって、智くんに触りたいのに…」
「え…?」
「俺だって智くんに、めちゃめちゃに抱かれたいのにっ…」
「翔ちゃん…」
「智くん、淋しかった?」
「そ、そんなこと…」
「ごめんね、そんな思いさせて」
「だって仕事じゃん。しょうがないよ」
「もうっ…淋しいなら言ってよ!俺に言ってよ!」
「翔ちゃ…」
「そりゃ、物理的にはどうにもできないけどさ。気持ちが近かったら、そんなの乗り越えられるんじゃないの?」
「翔…」
翔ちゃんは力に任せて俺のズボンを引っ張った。
俺はぐるんとひっくりかえって、ベッドに寝転がった。
ズボンはあっという間に脱がされ、パンツも引きはがすように脱がされた。
「今日は、寝かさないからね」
翔ちゃんの口から初めて聞くセリフだった。