第15章 Coke scene1
だって、楽しかったんだもん。
気持ちよかったんだもん。
ふたりが俺を大事にしてくれてるのがわかって嬉しかったんだもん。
この気持ちをなんて言ったらいいかわからない。
恋でも愛でもないけど…
でも大事なふたりであることにかわりはなくて。
相葉さんが俺の後ろに回って、俺の背もたれになってくれる。
翔さんは俺の足を持って、自分の身体を挟みこむように後ろに伸ばした。
なんて人間椅子…
「かず…好きだよ…」
相葉さんが後ろから俺の頬にキスをする。
「ニノ…好きだよ」
翔さんが俺の手にキスをする。
「うん…ありがとう…俺…」
「いいから!どっち選べとか言わないから!」
相葉さんが遮る。
「俺達、選んでほしいとか思ってないから」
翔さんも悲しそうに言う。
「いや、そうじゃなくて…」
「え?」
二人同時に声を上げた。
「俺ね、選べないし。選ぶつもりもないし」
「あ、そうなの…?」
相葉さんが拍子抜けしたような声を出す。
「だから、このままがいいな」
「え?それはどういう…?」
翔さんが眉間に皺を寄せた。
「このまま、三人がいい」
「マジか…」
「かず、えっろ…」
二人は絶句した。
俺は湧き上がってくる笑いを堪えられない。
「いやなら、もう寝てあげないよ?」
「えっ!?」
「どうすんの?」
「このまんまでいいや。俺」
相葉さんがあっさりと同意した。
「おっ、俺だっていいよ?」
翔さんもムキになって同意した。
「じゃあ、決まりね」
なぜか主導権を俺が握った。
あたりまえか、二人の男に好かれてるのは俺だもんな。
…おもしろい…
実はセックスがとっても気持ちよかったなんて言えないけど…
このふたりに好かれてるっていうのも楽しすぎるって言えないけど…
とにかく、この状況。
くせになったよ。
【END】