第14章 ショコラscene1
勢いでごくりと飲み込んでしまう。
慌てて雅紀がベッドサイドにおいてあったテュッシュを渡してくる。
「問題ない。いい」
そう短く答えて、俺は顔をそむけた。
一体何をしたんだ。
急に冷静になった。
そう思っていると、背後から雅紀の手が伸びてきて俺に抱きついた。
おそろしいことに、まだ雅紀の肌は冷たい。
考えたくない。
俺は後ろから伸びてきた雅紀の手を俺の股間に這わせた。
ズボンの内側に手を入れると、ぎゅっと俺を握らせた。
そうすると雅紀はその手を動かした。
程よい強さで握りこみ、上下に擦る。
強烈な快感がきた。
これだけでこんな快感を得たことはない。
いったい何がそうさせているのか。
本物さんのせいか。
それとも、俺の劣情なのか。
雅紀の唇が俺の背中にキスを降らせていた。
一個一個が気持ちのいいキスで。
俺は何度も身体がビクリと震えた。
雅紀の動きがだんだん性急になってきて、俺は思わず手を外した。
「なんで‥?翔ちゃんイって?」
うっとりとした表情で雅紀が言う。
後ろを振り返っていた俺の正面に回るとズボンをずり下ろし、俺を口に含んだ。
「ああっ…雅紀っ…だめだっ」
雅紀を引き剥がそうとするが、動かない。