第14章 ショコラscene1
そういうと、雅紀の頭をぐしゃぐしゃとなでた。
「ほら、こいよ」
ベッドに入って、雅紀の分を空ける。
「ん…ありがとう」
そういって、雅紀はベッドに上がった。
枕に顔を埋めたのを確認して、布団をかけてやる。
「じゃあ、おやすみな。雅紀」
「うん。おやすみ、翔ちゃん」
電気を消して、俺も布団にもぐりこむ。
布団の中は、雅紀の体温で熱かった。
一回起き上がって、冷房を少し強くした。
翌朝起きると、熱い。
汗っぽい…
なんだ?と思ってみたら、雅紀が抱きついていた。
「オイ~…」
なにが悲しくて、三十路男同士で抱き合わなきゃならないんだ…
雅紀を起こさないよう、そっと手と足をどける。
少し汗をかいていて、それが俺にくっついたらしい。
しょうがないから、シャワーでもするか。
出るまでにはだいぶまだ、時間があった。
雅紀のスケジュールはフリーだったはずだから、このまま寝かせておく。
ぬるめのシャワーでさっと雅紀の汗を洗い流す。
もう出ようとバスタオルを手にとった瞬間、バスルームの扉が乱暴に開いた。
「翔ちゃん!!」
雅紀が飛び込んできた。