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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第1章 きみどり scene1


「かずさぁ…最近、顔色悪いよ?」
「しょうがないでしょ。幽霊の役なんだから…」

といって、ちょっと笑ってしまった。
もしかして役とリンクして眠れなくなっているのだろうか。
おばけの役なんて初めてだから。

突然、大野さんがソファから立ち上がり、こちらに向かって歩いてきた。

「コーヒー、禁止」

「へ?」

「飲み過ぎだから、コーヒー禁止!」

俺の手にあるハーブ入りコーヒーをがっと掴み、大野さんはそれを一気に飲み干した。

「ああああああああああああああああああああああああ」

「あっち!熱い!う?なんだこれ?まっず!」

「あんた!あんた!これ…ああああああああああああああ」

「え?なに?どうしたの?」

「だああああああああああああああああああああああああああ」

だから嫌なんだ…この天然おじさん!

「え?え?なに?どうしたの?かず?」

「もう!知らないんだから!」

俺は眠れない歴三ヶ月で、このおじさんはのび太だ。

きっと即効だろう…

「あれ?……かず、なんか」

思ってるそばから、大野さんの足から力が抜ける。

がくっと膝をつき、俺を見上げてくる。

「もしかして、これ、なんか入ってんの?」

「もしかしなくても入ってるの」

「だよねえ…」

二人で引き攣った笑いを浮かべる。

「うーん…なかなかやばいの飲んでるんだね。かず」

「そうでしょ?でもそれ薬じゃないから、別に中毒性ないし。安心して」

「なんなの?これ…」

だいぶ呂律があやしくなってきてる。

「ハーブだよ。だから大丈夫」

「……なんでこんなん飲んでるの?」

「別に。なんだっていいじゃん」

「かず……」

大野さんが手を差し伸べてきた。
前のめりに倒れそうになるのを支えて、溜息をついた。

なんであんたが寝てるのよ…。

そのまま大野さんを抱きかかえた。ソファに寝かそうと歩を進める。

ガチャっと楽屋のドアが開く。

「二宮さん、大野さんおまたせしましたー」

「マネージャー、タイミング悪すぎ…!」

「はいぃ?」
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