第13章 マロンscene1
俺達がこうなったのは、正確にはいつか覚えていない。
でも、お互いの家をずっと行き来していた。
それもほぼ毎日。
普通に考えたら、異常だと思う。
男友達同士、共通の趣味があるわけでもなく、毎日一緒にいるなんて。
でもあの頃の俺達には自然なことで。
一緒にいてもなにかするわけではなく。
和也はゲームやってるし、俺は本を読んでたり、台本を覚えてたりする。
腹が減れば二人で外へ行ったり、何か作ってみたり。
そういう関係が始まったのは、だいたい3年前だったと思う。
ニューヨークに皆で行ったり、今の嵐の基盤を見なおした時期でもあった。
俺にとっては収穫の多い年だったが、どうも身体がついてこない時期でもあって。
コンサートツアーのとき、自分のソロがとてもつらくて。
ソロの後、激しいナンバーのメドレーが畳み掛けるようにあって、本当にしんどくて。
公演が終わると、誰も使ってない楽屋で倒れこんでいた。
マネージャーには誰にも言わないよう言っていたんだけど、なぜか和也は俺の傍にいた。
なんで知っていたのか、今でもわからない。
でも和也はじっと俺の傍を動かないで見守ってくれていた。