第12章 オセロscene1
「いや、俺、緊縛マニアじゃなくて、拘束マニアで。縛りとか手錠とか木轡とか、そういう拘束全般が好きなんだよ」
初めてまともな友達に喋った。
反応が恐い。
大抵、ノリのいいやつでも、ここまで言ったら引くから。
「すげー…雅紀…」
潤は目をうるませていた。
「え?」
「お前、変態だったんだな…」
いや、まあ事実だけど。
なにもそんなストレートに抉らなくても…。
「実は俺も…俺、Sなんだ…」
「?」
「だから、Sなんだ」
「え?そんなの全国の皆様が知ってるけど」
「そうじゃねえ!そうじゃねえんだ…」
「すいません、どういうことでしょうか…」
あまりにも潤の顔が近くに来たから、つい敬語を使ってしまう。
「俺は。人が苦痛に堪えてる顔みると感じるんだ。でも血をみるのはゴメンだ。だから色々試してて」
「そ、それで縄に出会ったんだね」
「でも上手くいかなくて…」
「まあ、お前じゃ縄は無理かな…」
「なんでよ!?」
「いや、急にオネエ出すなよ。不器用だから無理だって」
「手錠、見せて」
そういうと、手に持ったまんまの手錠を取り上げられた。
「もー触るだけだよ?」