第12章 オセロscene1
「えーっと…」
俺達は、なんとも言えない沈黙に包まれた。
「いや、あの、ちょっとだけ興味あってさ」
「へ、へぇ~」
嘘だ。
実は俺は拘束プレイには10代のころから興味があって。
そのせいで、振られ続けているのだ。
タオルでちょっと手首縛るくらいじゃなくて、結構本格的だから…
アイドルの俺しかしらない女の子は、速攻逃げ出していった。
イメージとはかけ離れてるんだと。
しらねーよ。
性癖なんて人それぞれだろ…
最初のうちは面白がって付き合ってくれる子もいるけど、本格的になると逃げる。
かと言って、最初からそういうプレイしたがる子は嫌で。
白いものを染めるのが好きで…
うん。思いっきり変態だな。
わかってる。
自分でもわかってるんだ。
でも俺は人よりも性欲が強い質らしく。
暴走したら我慢が効かないんだ。
そんなこんなで、良いパートナーにも恵まれず。
俺は日照り状態がずっと続いていた。
そんな自分回想に浸っていると、潤がなにやらもそもそしている。
「なにしてんの?」
くるっと振り返った潤の手にしているものをみたら、ジュート縄だった。
そう、緊縛につかう麻縄だ。